第46回専門基礎午後問題(回答と解説)
46-P-051 肩甲下筋の付着部位で正しいのはどれか。
46-P-051 答:2
1:× 1には棘上筋が付着する。
2:○
3:× 3には広背筋が付着する。
4:× 4には広背筋が付着する。大円筋が付着する。
5:× 5には大胸筋が付着する。
46-P-052 頭頂葉にあるのはどれか。
1.角 回
2.帯状回
3.歯状回
4.海馬傍回
5.中心前回
46-P-052 答:1
1:○ 角回、縁上回、体性感覚野は頭頂葉にある。
2:× 帯状回は前頭葉と頭頂葉の内側下部にあり、大脳辺縁系である。
3:× 歯状回は側頭葉内側にあり大脳辺縁系である。
4:× 海馬傍回は側頭葉内側にあり大脳辺縁系である。
5:× 中心前回は中心溝の前、前頭葉にある。
46-P-053 温痛覚の伝導路はどれか。
1.前皮質脊髄路
2.後脊髄小脳路
3.前脊髄小脳路
4.前脊髄視床路
5.外側脊髄視床路
46-P-053 答:5
1:× 前脊髄視床路は粗大な触圧覚を伝える。
2:× 後脊髄小脳路は意識しない深部感覚を小脳に伝える。
3:× 前脊髄小脳路は意識しない深部感覚を小脳に伝える。
4:× 前脊髄視床路は粗大な触圧覚を伝える。
5:○
46-P-054 下肢の筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.中殿筋――――下殿神経
2.縫工筋――――閉鎖神経
3.膝窩筋――――脛骨神経
4.後脛骨筋―――総腓骨神経
5.短指屈筋―――内側足底神経
46-P-054 答:3.5
1:× 中殿筋,小殿筋、大腿筋膜張筋は上殿神経支配である。
2:× 縫工筋、腸骨筋、大腿四頭筋は大腿神経支配である。
3:○ 大腿~下腿の後面、足底の筋は脛骨神経支配である。
4:× 後脛骨筋は脛骨神経支配である。
5:○ 短指屈筋、母指外転筋は内側足底神経支配である。
46-P-055 神経再生の過程で迷入再生をきたしやすい顔面神経の解剖学的特徴はどれか。
1.耳下腺内を走行する。
2.支配筋に筋紡錘がない。
3.骨性神経管内を走行する。
4.多数の運動終板を形成する。
5.神経束構造が欠落している。
46-P-055 答:なし
1:× 顔面神経は耳下腺内を走行するが耳下腺を支配しておらず迷入再生の特徴とは言えない。
2:○ 表情筋には筋紡錘がなく迷入再生の特徴である。
3:○ 顔面神経は側頭骨の顔面神経管を通り、迷入再生の特徴である。
4:× 顔面神経は少数の運動終板を形成する。多くの筋を支配していることが迷入再生の特徴である。
5:○ 一部の顔面神経は神経束を形成しないため迷入再生の特徴である。
46-P-056 門脈に流入しないのはどれか。
1.脾静脈
2.左胃静脈
3.左腎静脈
4.空回腸静脈
5.上腸間膜静脈
46-P-056 答:3 脾臓、胃、膵臓、腸からの静脈血は門脈に流入する。腎静脈は門脈に流入しない。
46-P-057 正しいのはどれか。
1.食道は上行大動脈の腹側にある。
2.胃底部は横隔膜と接する。
3.胆嚢は肝臓の頭側に接する。
4.総肝管は十二指腸に開口する。
5.膵頭部は脾臓に接する。
46-P-057 答:2
1:× 食道は上行大動脈の背側にある。下行大動脈(胸大動脈)の腹側にある。
2:○ 胃底は胃の上部であり、横隔膜と接する。
3:× 胆嚢は肝臓の尾側(下)にある。
4:× 総胆管が主膵管とともに十二指腸に開口する。
5:× 膵尾部(膵臓の左端)が脾臓と接する。
46-P-058 排尿で正しいのはどれか。
1.膀胱は交感神経活動で収縮する。
2.排尿の反射中枢は腰髄にある。
3.内尿道括約筋は副交感神経活動で収縮する。
4.外尿道括約筋は随意制御できる。
5.外尿道括約筋は陰部神経活動によって弛緩する。
46-P-058 答4
1:× 膀胱(排尿筋)は交感神経活動で弛緩する。
2:× 排尿の反射中枢は仙髄(S2~4)にある。
3:× 内尿道括約筋(膀胱括約筋)は副交感神経活動で弛緩し、交感神経活動で収縮する。
4:○ 外尿道括約筋は体性神経の陰部神経支配で随意制御できる。
5:× 陰部神経が活動すると外尿道括約筋が収縮する。活動しないと弛緩する。
46-P-059 皮下組織直下に筋腹を触知できないのはどれか。
1.上腕筋
2.回外筋
3.円回内筋
4.尺側手根伸筋
5.長橈側手根伸筋
46-P-059 答:2
46-P-060 手根管の模式図を示す。解剖で正しいのはどれか。
1.尺骨神経
2.尺骨動脈
3.正中神経
4.長母指屈筋腱
5.有頭骨
46-P-060 答:3
1:× 1は撓側手根屈筋腱である。
2:× 2は長母指屈筋腱である。
3:○
4:× 4は尺骨神経である。
5:× 5は有鈎骨である。
46-P-061 皮質覚(複合感覚)に分類されるのはどれか。2つ選べ。
1.二点識別覚
2.関節位置覚
3.部位覚
4.圧 覚
5.振動覚
46-P-061 答:1.3 脳で知覚する感覚を複合感覚と言い、二点識別覚、部位覚、立体覚、皮膚書字覚などがある。関節位置覚、圧覚、振動覚は深部感覚である。
46-P-062 筋紡錘で正しいのはどれか。
1.錘外筋の筋線維と平行に存在する。
2.求心性線維はⅠb群に属する。
3.α運動ニューロンの支配を受ける。
4.一次終末は主に核鎖線維に終止する。
5.二次終末は主に伸張の速度を検知する。
46-P-062 答1
1:○ 筋紡錘は錘外筋の筋線維と平行に存在することで、錘外筋が伸ばされた時にそれを感知することができる。
2:× 筋紡錘の求心線維にはⅠaとⅡ線維がある。
3:× 錘内筋はγ運動ニューロンの支配を受ける。α運動ニューロンは錘外筋を支配する。
4:× 一次終末は主に核袋線維に終止する。
5:× 主に伸長の速度(急激な伸長)を検知するのは一次終末である。
46-P-063 副交感神経の興奮によるものはどれか。
1.瞳孔散大
2.胆嚢弛緩
3.消化管蠕動抑制
4.気管支平滑筋収縮
5.外生殖器血管収縮
46-P-063 答4
1:× 瞳孔散大(瞳孔散大筋)は交感神経の作用である。瞳孔括約筋は副交感神経が作用する。
2:× 副交感神経の働きで胆嚢は収縮する。
3:× 副交感神経の働きで消化管蠕動運動は促進される。
4:○
5:× 外生殖器血管収縮は交感神経の働きである。血管は交感神経が支配する。
46-P-064 CO2と換気との関係で正しいのはどれか。
1.換気が低下すると呼吸性アルカローシスを生じる。
2.代謝性アシドーシスでは換気が増加する。
3.PaCO2は通常24Torrに維持されている。
4.PaCO2は呼吸性アルカローシスで上昇する。
5.PaCO2が低下すると換気が増大する。
46-P-064 答2
1:× 換気が増加すると(過換気では)呼吸性アルカローシスを生じる。
2:○ 代謝性アシドーシスでは呼吸での代償がおこり二酸化炭素を排出させてバランスを取ろうとする。
3:× PaCO2は約40(35~45)Torr(㎜Hg)に維持されている。
4:× PaCO2が上昇すると呼吸性アシドーシスとなる。
5:× PaCO2が上昇すると換気が増大する。
46-P-065 IgEが関与しないのはどれか。
1.気管支喘息
2.ツベルクリン反応
3.アトピー性皮膚炎
4.アレルギー性鼻炎
5.アナフィラキシーショック
46-P-065 答:2 IgEはⅠ型(即時型)アレルギー反応に関与する。ツベルクリン反応はⅣ型アレルギー反応である。
46-P-066 唾液によって分解されるのはどれか。
1.脂 質
2.蛋白質
3.ブドウ糖
4.デンプン
5.セルロース
46-P-066 答4
1:× 脂質は膵液のリパーゼにより分解される。
2:× 蛋白質は胃液のペプシンや膵液のトリプシン・キモトリプシン、腸液のアミノペプチターゼにより分解される。
3:× ブドウ糖は単糖類で、これ以上分解されない。
4:○ 唾液に含まれる唾液アミラーゼ(プチアリン)は、デンプンを二糖類の麦芽糖(マルトース)に分解する。
5:× セルロースは食物繊維で人間には分解酵素がない。
46-P-067 体温で正しいのはどれか。
1.血管収縮で熱放散が低下する。
2.呼気は熱放散を減少させる。
3.体温調節中枢は小脳にある。
4.高齢者は小児よりも高い。
5.午前よりも午後が低い。
46-P-067 答1
1:○ 皮膚血管が収縮すると、皮膚血流量が減り熱放散は低下する。
2:× 呼気は熱放散を増加させる。
3:× 体温調節中枢は視床下部にある。
4:× 小児は高齢者より体温が高い。
5:× 体温は早朝が低く、夕方が高い。
46-P-068 高齢者で減少するのはどれか。2つ選べ。
1.心拍出量
2.腎血流量
3.体脂肪率
4.末梢血管抵抗
5.機能的残気量
46-P-068 答:1.2
1:○ 加齢により心機能が低下するとともに、血液量が低下するため心拍出量は低下する。
2:○ 加齢により心拍出量が低下するため腎血流量も低下する。
3:× 加齢により筋量が低下し体脂肪率は増加する。
4:× 加齢により動脈硬化がおこり血管抵抗は増加する。
5:× 加齢により肺機能が低下し機能的残気量が増加する。
46-P-069 手で鉄球を持ち、図に示す構えを保持した場合、肘関節にかかる関節反力はどれか。
1.4N
2.20N
3.24N
4.410N
5.480N
46-P-069 答:4 上腕二頭筋の付着部を支点と考える。
0.05× XN=(0.20-0.05)× 20N+(0.40-005)× 50Nで求める。
46-P-070 随意運動の制御に関与する部位はどれか。
1.松果体
2.扁桃体
3.歯状核
4.青斑核
5.海 馬
46-P-070 答:3
1:× 松果体はメラトニンを分泌する。
2:× 扁桃体は大脳辺縁系で情動と関係する。
3:○ 歯状核は小脳核で運動制御に関与する。
4:× 青斑核は橋にあり、パニック発作など自律神経発作に関与する。
5:× 海馬は陳述記憶に関与する。
46-P-071 肘関節屈曲に作用するのはどれか。2つ選べ。
1.肘 筋
2.上腕筋
3.回外筋
4.腕橈骨筋
5.上腕三頭筋
46-P-071 答:2.4
1:× 肘筋は肘関節の伸展と、回内に作用する。
2:○
3:× 回外筋は肘関節伸展と回外に作用する。
4:○ 腕橈骨筋は肘関節屈曲と、前腕の回内・回外に作用する。
5:× 上腕三頭筋は肘関節伸展に作用する。
46-P-072 正しいのはどれか。2つ選べ。
1.腸骨大腿靱帯は股関節外旋を制限する。
2.坐骨大腿靱帯は股関節屈曲を制限する。
3.小殿筋の収縮は股関節外旋を制限する。
4.半膜様筋の収縮は膝関節内旋を制限する。
5.大腿二頭筋の収縮は膝関節屈曲を制限する。
46-P-072 答:1.3
1:○ 腸骨大腿靭帯は股関節伸展、外転、内転、外旋を制限する。
2:× 坐骨大腿靭帯は股関節屈曲時に弛緩する。股関節伸展、外転、内旋時に緊張する。
3:○ 小殿筋は股関節内転と内旋に作用するため、股関節外転と外旋を制限する。
4:× 半膜様筋は膝関節内旋に作用するため、膝関節外旋を制限する。
5:× 大腿二頭筋は膝関節屈曲に作用するため、膝関節伸展を制限する。
46-P-073 姿勢を不安定にする要因はどれか。2つ選べ。
1.視覚の遮断
2.高い重心位置
3.広い支持基底
4.接触面との大きな摩擦
5.支持基底中心への重心線の投射
46-P-073 答:1.2
1:○ 視覚の遮断は姿勢を不安定にする。
2:○ 重心位置が高いと姿勢が不安定になる。
3:× 広い支持面は重心を安定させる。
4:× 接触面との大きな摩擦は重心を安定させる。
5:× 支持基底中心への重心線の投射は姿勢を安定させる。
46-P-074 正常歩行で求心性収縮を示すのはどれか。2つ選べ。
1.立脚初期の中殿筋
2.踵接地期の前脛骨筋
3.踵離地期の下腿三頭筋
4.つま先離地期の腸腰筋
5.踵接地期直前のハムストリングス
46-P-074 答:3.4
1:× 立脚初期の中殿筋は股関節を内転しながら活動するため遠心性である。
2:× 踵接地期の前脛骨筋は足関節を底屈しながら活動するため遠心性である。
3:○ 踵離地期の下腿三頭筋は求心性に作用し足関節を底屈させる。
4:○ つま先離地期の腸腰筋は求心性に作用し股関節を屈曲させる。
5:× 踵接地期直前のハムストリングスは膝を伸展しながら活動するため遠心性である。
46-P-075 変形性関節症の病理学的変化はどれか。
1.関節軟骨の破壊
2.アミロイドの沈着
3.尿酸塩結晶の沈着
4.ピロリン酸カルシウムの沈着
5.Langhans(ラングハンス)巨細胞の出現
46-P-075 答:1
1:○ 変形性関節症では関節軟骨の破壊による関節裂隙の狭小化、軟骨化の骨硬化や骨嚢胞、骨棘形成などがおこる。
2:× アミロイドの沈着はアミロイド―シスでみられる。
3:× 尿酸塩結晶の沈着は高尿酸血症(痛風)でみられる。
4:× ピロリン酸カルシウムの沈着は偽痛風でみられる・
5:× Langghans巨細胞は結核などでみられる。
46-P-076 原発性脳腫瘍で最も予後が悪いのはどれか。
1.膠芽腫
2.上衣腫
3.下垂体腺腫
4.星状細胞腫
5.乏突起膠腫
46-P-076 答:1 神経膠芽腫は非常に悪性度が高く、浸潤性に、急速に発育する。
46-P-077 痙縮の治療においてボツリヌス毒素の作用部位はどれか。
1.脊髄後根神経節
2.脊髄前角
3.脊髄前根
4.運動神経終末
5.筋小胞体
46-P-077 答:4 ボツリヌス毒素は運動神経終末(神経筋接合部)でのアセチルコリンの分泌を妨げる。
46-P-078 脳損傷後の出来事が思い出せないようになることはどれか。
1.作 話
2.失 認
3.前向健忘
4.逆向健忘
5.見当識障害
46-P-078 答:3
1:× 作話は記憶障害により話のつじつまを合わすための作り話である。
2:× 失認は、物、人、空間などの認知が障害されることである。
3:○ 脳損傷後(脳損傷時点より後)の出来事が思い出せないのは前向健忘である。
4:× 脳損傷時点より前の出来事が思い出せないのは逆向健忘である。
5:× 見当識障害は、人、時間、場所に対する見当識の障害である。
46-P-079 青年期の心理的発達課題に関与するのはどれか。2つ選べ。
1.自己中心性
2.第一反抗期
3.自我同一性
4.モラトリアム
5.ギャング・エイジ
46-P-079 答:3.4
1:× 自己中心性は幼児期の課題である。
2:× 第一反抗期は幼児期の課題である。
3:○ 自我同一性の確立とは、「自分は何ものなのか」、「どう生きていくべきなのか」などを確立していくことで青年期の課題である。
4:○ モラトリアムは青年が社会に出るまでの猶予期間(若いからしかたがないなど)のことで青年期の課題である。
5:× ギャングエイジは同性同年齢で徒党を組んで行動することで学童期の課題である。
46-P-080 人格検査はどれか。2つ選べ。
1.WISC-Ⅲ
2.文章完成テスト
3.ロールシャッハテスト
4.内田・クレペリンテスト
5.WCST(Wisconsin Card Sorting Test)
46-P-080 答:2.3
1:× WISCは児童用(小学生~中学生)のウエクスラー式知能検査である。
2:○ 文章完成テストは、途中まで書いてある文章の先を埋めていくもので、投影法による人格検査である。
3:○ ロールシャッハテストは対称的なインクの染みの図柄が何に見えるかを言っていく投影法による人格検査である。
4:× 内田・クレベリンテストは隣合う数字を足していくもので精神作業検査である。
5:× WISCは前頭葉機能検査(遂行機能の検査)である。
46-P-081 学習理論に基づく技法を用いた療法はどれか。
1.内観療法
2.箱庭療法
3.交流分析
4.認知行動療法
5.精神分析療法
46-P-081 答:4
1:× 内観療法は自分自身で自分の過去の経験などをみつめていくものである。
2:× 箱庭療法は机に置けるくらいの箱庭の中に人形、建物、乗り物、木などを配置していく方法で自分の気持ちを自然に表現できる。
3:× 交流分析は50の質問からなるエゴグラム(自我分析)を用いる方法である。
4:○ 行動療法は学習理論を理論背景とする。認知行動療法は行動だけでなく認知面にもアプローチする方法である。
5:× 精神分析療法は自由連想法により無意識を顕在化していく。
46-P-082 高齢者の長期の安静臥床の影響として正しいのはどれか。2つ選べ。
1.記銘力の低下
2.1回換気量の増加
3.循環血液量の減少
4.安静時心拍数の減少
5.血中カルシウム濃度の低下
46-P-082 答:1.3
1:○ 高齢者の長期安静臥床により知的機能の低下(記銘力の低下、見当識の低下など)がおこる。
2:× 高齢者の長期安静臥床により肺機能が低下し1回換気量が減少する。
3:○ 高齢者の長期安静臥床により体の水分量が減少するため血液量も減少する。
4:× 高齢者の長期安静臥床により循環血液量が減少するため心拍数が増加(頻脈)する。
5:× 高齢者の長期安静臥床により骨吸収が亢進し血中カルシウム濃度が増加する。
46-P-083 視床症候群の症候として正しいのはどれか。2つ選べ。
1.めまい
2.重度片麻痺
3.体温の上昇
4.激しい自発痛
5.深部感覚障害
46-P-083 答:4.5 視床症候群には、視床痛、重度の感覚麻痺、運動失調、不随意運動、注意障害、意識障害などがある。
1:× 小脳障害などで生じる。
2:× 被殻~内包の障害で生じる。
3:×
4:○
5:○
46-P-084 クリニカルパスの利点として誤っているのはどれか。
1.医療の標準化
2.業務の効率化
3.入院期間の短縮
4.責任所在の分散化
5.患者に対する治療説明への利用
46-P-084 答:4
1:○
2:○
3:○ 無駄を省いて適正な在院日数を決めることができる。
4:× 責任所在を明確にできる。
5:○
46-P-085 小児の切断で正しいのはどれか。
1.5歳児の切断では幻肢が生じる。
2.先天性切断では一側下肢切断が最も多い。
3.後天性切断では一側上肢切断が最も多い。
4.上腕切断では後に脊柱側弯を生じやすい。
5.下腿切断では後に外反膝変形を生じやすい。
46-P-085 答:4
1:× 5歳以下の切断では幻肢は生じない。
2:× 先天性切断では上肢切断(特に手指の欠損)が多い。
3:× 後天性切断では一側下肢の切断が最も多い。
4:○ 上腕切断では左右の重心の差から脊柱側彎を生じやすい。
5:× 下腿切断では膝屈曲拘縮を生じやすい。
46-P-086 腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。
1.椎間板の前側方突出が多い。
2.第3・4腰椎間で最も多く発症する。
3.第3・4腰椎間で生じると膝蓋腱反射が亢進する。
4.第4・5腰椎間で生じると下腿三頭筋の筋力低下を認める。
5.第5腰椎・第1仙椎間で生じるとアキレス腱反射が低下する。
46-P-086 答:5
1:× 椎間板の後側方突出が多い。
2:× 腰椎椎間板ヘルニアでは第4・5腰椎間で最も多く生じる。
3:× 第3・4腰椎間で生じると膝蓋腱反射が減弱する。
4:× 第5腰椎第1仙椎間で生じると下腿三頭筋の筋力低下を認める。
5:○
46-P-087 Wallenberg症候群を起こす病態で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.橋出血
2.ラクナ梗塞
3.脳動静脈奇形
4.脳底動脈解離
5.内頸動脈閉塞症
46-P-087 答:2.4 Wallenberg症候群は延髄の外側症候群ともいわれる。椎骨動脈の枝の後下小脳動脈の梗塞で生じることが多い。
46-P-088 第5胸髄レベルの脊髄横断面の模式図に損傷部位を斜線で示す。右下肢にみられる症状はどれか。
1.運動麻痺
2.痛覚鈍麻
3.位置覚異常
4.振動覚低下
5.腱反射亢進
46-P-088 答:2 図は左側の脊髄半側症候群(Brown-Séqurd症候群)である。障害部位以下の同側の深部感覚(位置覚、運動覚、振動覚)障害と同側の運動麻痺、反対側の温痛覚障害をおこす。
1:× 左下肢の運動麻痺がみられる。
2:○
3:× 左下肢の位置覚障害がみられる。
4:× 左下肢の振動覚障害がみられる。
5:× 左下肢の腱反射の亢進がみられる。
46-P-089 分娩麻痺で正しいのはどれか。
1.低出生体重児に多い。
2.下位型は頸部が伸展されて起こる。
3.頭位分娩による上位型の予後は良い。
4.頭位分娩では上位型よりも下位型が多い。
5.両側例は骨盤位分娩よりも頭位分娩に多い。
46-P-089 答:3
1:× 4,000ℊ以上の巨大児で多い。
2:× 上位型は頭部が伸展されておこる。
3:○
4:× 頭位分娩では上位型が多い。
5:× 両側例は骨盤分娩で多い。
46-P-090 Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.罹患した部位に痙縮がみられる。
2.ウイルス感染が先行することが多い。
3.軸索変性型は脱髄型よりも予後が良い。
4.蛋白が高値で細胞増加がない髄液所見を伴う。
5.症状は数か月かけて徐々に進行することが多い。
46-P-090 答:2.4
1:× 末梢神経障害であり、痙縮はみられない。
2:○ 1~2週間前にウィルス感染が先行することが多い。
3:× 軸索型は予後が悪い。
4:○
5:× 症状は1か月までに急速に進行する。
46-P-091 脳性麻痺で誤っているのはどれか。
1.痙直型四肢麻痺では出生時から筋緊張が高い。
2.痙直型両麻痺では上肢よりも下肢の障害が強い。
3.アテトーゼ型では緊張性頸反射の影響を受ける。
4.精神的緊張でアテトーゼ型の不随意運動は増強する。
5.アテトーゼ型四肢麻痺では下肢よりも上肢の障害が強い。
46-P-091 答:1 アテトーゼ型では出生時に筋緊張が低いfloppy infantを呈する。痙直型四肢麻痺では出生時は筋緊張の高さは目立たない。
46-P-092 胸部で聴取される捻髪音について正しいのはどれか。
1.吸気終末に聴取できる。
2.肺尖部で聴取しやすい。
3.太い気管支由来の音である。
4.閉塞性肺疾患で聴取しやすい。
5.喀痰が多い場合に聴取しやすい。
46-P-092 答:1 捻髪音はベルクロラ音ともいい、ベルクロ(マジックテープ)をパリパリとはがすような音である。
1:○
2:× 肺底部で聴取しやすい。
3:× 細い気管支由来の音である。
4:× 間質性肺炎、肺線維症(拘束性肺疾患)で聴取される。
5:× 喀痰が多い場合はブツブツといった水泡音となる。
46-P-093 同一患者の異なる時刻における心電図モニターを示す。認められるのはどれか。
1.洞頻脈
2.心房粗動
3.心室性頻拍
4.洞房ブロック
5.完全左脚ブロック
46-P-093 答:4 P波およびそれに続くQRSTが出現していないところがあるため洞房ブロックである。P波があればⅡ度房室ブロックである。
46-P-094 虚血性大腸炎について正しいのはどれか。
1.初発症状は腹痛である。
2.大半が手術適応となる。
3.好発部位は上行結腸である。
4.発症のピークは50歳代である。
5.頻回の下痢が発症の誘因となる。
46-P-094 答:1
1:○
2:× 2~4週間の絶食・安静治療を行う。
3:× 好発部位は下行結腸である。
4:× 発症のピークは50歳以上の高齢者である。
5:× 頻回の便秘が発症の誘因となる。
46-P-095 上位運動ニューロンの障害でみられる症状はどれか。2つ選べ。
1.振 戦
2.痙 縮
3.腱反射消失
4.筋線維束攣縮
5.病的反射陽性
46-P-096 答:2.5
1:× 振戦は大脳基底核や小脳の障害でみられる。
2:○ 上位運動ニューロンの障害では、痙縮、腱反射の亢進、筋緊張の亢進がみられる。
3:× 腱反射消失は下位運動ニューロン障害でみられる。
4:× 筋線維性攣縮は下位運動ニューロン障害でみられる。
5:○
46-P-096 いつも右足から踏み出さねばならないという思考の異常はどれか。
1.保 続
2.迂 遠
3.作為体験
4.思考化声
5.強迫観念
46-P-096 答:5
1:保続は直前にやったことや言ったことが繰り返されるもので、前頭葉障害で出現する。
2:迂遠は非常に周りくどい状態で。てんかんなどにみられる。
3:作為体験は他人にさせられるという体験で統合失調症にみられる。
4:思考化声は自分の考えが声になって聞こえるというもので、統合失調症の幻聴の一つである。
5:強迫観念は自分でも不合理とわかっている観念が何度も繰り返し出現するものである。
46-P-097 治療中の統合失調症患者で眼球が上転し戻らない場合、最も可能性が高いのはどれか。
1.転換症状
2.悪性症候群
3.アカシジア
4.急性ジストニア
5.遅発性ジスキネジア
46-P-097 答:4
1:× 転換症状は転換性障害で見られる。運動麻痺、感覚麻痺、けいれん発作などがある。
2:× 悪性症候群は抗精神病薬の大量使用などによる重篤な副作用である。発熱、発汗、頻脈、意識障害などがおこる。
3:× アカシジアはじっとしておられない状態で静座不能ともいう。
4:○ 急性ジストニアでは眼球の上転や頸部の捻転などがみられる。
5:× 遅発性ジスキネジアは口をもぐもぐしたり、舌を出したり入れたりする症状である。
46-P-098 仮面うつ病で正しいのはどれか。
1.作話症状が目立つ。
2.仮性認知症を呈する。
3.仮面様顔貌を呈する。
4.身体症状が前景にでる。
5.引きこもり傾向が強い。
46-P-098 答:4
1:× 作話はコルサコフ症候群やAlzheimer型認知症でみられる。
2:× 老人性うつ病では仮性認知症を伴うことがある。
3:× 仮面様顔貌はParkinson病でみられる。
4:○ 仮面うつ病は食欲不振、胃痛など身体症状が前景に出るうつ病である。
5:× 引きこもり傾向が強いのはうつ病である。
46-P-099 光刺激で発作が誘発されるのはどれか。
1.欠神てんかん
2.側頭葉てんかん
3.ミオクロニーてんかん
4.West(ウェスト)症候群
5.Lennox-Gastaut(レノックス・ガストー)症候群
46-P-099 答:3
1:× 欠神てんかんは数秒~数十秒の意識消失をおこす。
2:× 側頭葉てんかんは高齢者に多く、意識障害、自動症などがみられる。
3:○ ミオクロニーてんかんは急激に四肢の一部などが強直するもので、光刺激により誘発されることがある。
4:× West症候群は乳児におこる重篤なてんかんで、知的障害も引き起こす。
5:× Lennox-Gastaut症候群は幼児におこる重篤なてんかんで、知的障害も引き起こす。
46-P-100 統合失調症の急性期治療で最も重要なのはどれか。
1.薬物療法
2.精神療法
3.環境調節
4.生活指導
5.心理教育
46-P-100 答:1 統合失調症の急性期の治療では薬物療法と安静が主である。