第53回専門基礎午前問題
53-A-051 骨について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.長骨の骨幹には髄腔がある。
2.骨には緻密骨と海綿骨がある。
3.骨芽細胞は骨吸収に関与している。
4.骨の関節面は滑膜で覆われている。
5.骨膜は骨の長軸方向の成長に関わる。
53-A-052 運動軸が2つの関節はどれか。
1.手指PIP関節
2.橈骨手根関節
3.腕尺関節
4.上橈尺関節
5.肩甲上腕関節
53-A-053 外側腋窩隙を構成する筋はどれか。
1.棘上筋
2.棘下筋
3.広背筋
4.大円筋
5.肩甲下筋
53-A-054 錐体路について誤っているのはどれか。
1.大脳の運動皮質から始まる。
2.大脳の基底核を経由する。
3.大脳脚を経由する。
4.大多数は延髄で交差する。
5.脊髄の前角でシナプスを形成する。
53-A-055 内頸動脈から直接分岐しないのはどれか。
1.眼動脈
2.前大脳動脈
3.中大脳動脈
4.前交通動脈
5.後交通動脈
53-A-056 筋と支配神経の組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.円回内筋――尺骨神経
2.深指屈筋――橈骨神経
3.長掌筋―――正中神経
4.長母指伸筋―後骨間神経
5.腕橈骨筋――前骨間神経
53-A-057 リンパ系について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.脾臓はリンパ液を濾過する。
2.胸管は右鎖骨下静脈に流入する。
3.腸管由来のリンパ液を乳糜という。
4.リンパ管には弁機構が存在しない。
5.右下肢のリンパ液は胸管に流入する。
53-A-058 呼吸器の解剖について正しいのはどれか。
1.細気管支には軟骨がある。
2.胸膜腔は吸気時に拡大する。
3.肺の栄養血管は肺動脈である。
4.肺尖は鎖骨と同じ高さに位置する。
5.右主気管支は左主気管支よりも短い。
53-A-059 解剖学的“嗅ぎたばこ入れ”で触診できるのはどれか。
1.月状骨
2.三角骨
3.舟状骨
4.小菱形骨
5.有頭骨
53-A-060 細胞内小器官の働きで正しいのはどれか。
1.滑面小胞体はATPを合成する。
2.Golgi装置は蛋白質を修飾する。
3.ミトコンドリアはグリコーゲンを分解する。
4.ライソソームは蛋白質を合成する。
5.リボソームは細胞内の物質を分解する。
53-A-061 反射と脳神経の組み合わせで正しいのはどれか。
1.角膜反射―――視神経
2.対光反射―――動眼神経
3.前庭動眼反射―三叉神経
4.下顎反射―――顔面神経
5.咽頭反射―――副神経
53-A-062 伸張反射について正しいのはどれか。
1.侵害受容反射である。
2.単シナプス反射である。
3.求心性線維はⅠb群線維である。
4.遠心性線維はγ運動線維である。
5.筋紡錘内の錘内線維を支配するのはα運動線維である。
53-A-063 運動単位について正しいのはどれか。
1.運動単位には求心性線維が含まれる。
2.1つの筋は単一の運動単位で構成される。
3.神経支配比が小さいほど微細な運動ができる。
4.随意運動時には大きな運動単位ほど先に活動を始める。
5.伸張反射では弱い刺激で活動を開始するのは速筋である。
53-A-064 抗体を産生するのはどれか。
1.好酸球
2.好中球
3.好塩基球
4.形質細胞
5.マクロファージ
53-A-065 胆汁について正しいのはどれか。
1.脂肪の吸収を抑制する。
2.消化酵素が含まれる。
3.食物の摂取によって分泌が増加する。
4.胆汁酸塩の大部分は大腸で再吸収される。
5.胆嚢で産生される。
53-A-066 排尿機構について正しいのはどれか。
1.排尿時には内尿道括約筋が収縮する。
2.膀胱に尿が溜まり始めるとすぐに尿意を感じる。
3.尿道を尿が通る知覚は排尿筋の収縮を抑制する。
4.膀胱括約筋はノルアドレナリンの作用で収縮する。
5.排尿を我慢するときには大脳皮質からの抑制がかかる。
53-A-067 副甲状腺ホルモンで正しいのはどれか。
1.骨吸収を促進する。
2.好酸性細胞で分泌される。
3.リンの再吸収を促進する。
4.重炭酸イオンの再吸収を促進する。
5.遠位尿細管でカルシウムの再吸収を抑制する。
53-A-068 摂食嚥下の際の運動で正しいのはどれか。
1.嚥下後の呼吸は吸気から再開される。
2.口腔内の食塊は反射運動で咽頭へ送られる。
3.嚥下反射が起こると舌骨は下方に移動する。
4.食塊の咽頭への送り込み時に口蓋帆張筋が緊張する。
5.食塊の食道への送り込み時に輪状咽頭筋が収縮する。
53-A-069 等張性運動について正しいのはどれか。
1.角速度は一定である。
2.等尺性運動に比べ血圧が上昇しやすい。
3.等尺性運動に比べ収縮時の筋血流が増加しやすい。
4.等尺性運動に比べ心拍数が増加しやすい。
5.負荷に抗して姿勢を維持するときに起こる。
53-A-070 頸椎の伸展に作用する筋はどれか。
1.頸長筋
2.頭長筋
3.頸板状筋
4.後斜角筋
5.前頭直筋
53-A-071 肩甲骨の下方回旋に作用する筋はどれか。
1.前鋸筋
2.小胸筋
3.小円筋
4.棘下筋
5.鎖骨下筋
53-A-072 正常な膝関節を屈曲したときの最終域感で正しいのはどれか。
1.虚性
2.筋性
3.骨性
4.靭帯性
5.軟部組織性
53-A-073 足の外側縦アーチを形成するのはどれか。2つ選べ。
1.踵骨
2.距骨
3.舟状骨
4.立方骨
5.中間楔状骨
53-A-074 正常歩行について正しいのはどれか。
1.肩関節は同側の踵接地時に最大屈曲位となる。
2.膝関節は踵接地直後に伸展する。
3.骨盤は水平面において回旋運動をする。
4.骨盤は前額面において水平に保たれる。
5.骨盤は遊脚側へ側方移動する。
53-A-075 運動時の生体反応で正しいのはどれか。
1.冠血流は低下する。
2.腎血流は増加する。
3.グリコーゲン分解が促進される。
4.尿へのナトリウム排泄は促進される。
5.酸素含有量の動静脈較差は減少する。
53-A-076 歩行障害がある患者の頭部MRIのT1強調冠状断像を示す。腰椎穿刺を行い髄液を排出させたところ、歩行障害が改善した。
最も考えられるのはどれか。
1.Parkinson病
2.正常圧水頭症
3.脳梗塞
4.脳出血
5.慢性硬膜下血腫
53-A-077 熱傷について正しいのはどれか。
1.第Ⅰ度熱傷では熱感はみられない。
2.浅達性第Ⅱ度熱傷では瘢痕を残す。
3.深達性第Ⅱ度熱傷では水疱底は発赤している。
4.第Ⅲ度熱傷では疼痛が著明である。
5.鼻咽腔に煤が見られたときは気道熱傷が疑われる。
53-A-078 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)の副作用として正しいのはどれか。
1.胃潰瘍
2.低血糖
3.多幸感
4.骨粗鬆症
5.中心性肥満
53-A-079 欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平等を保とうとする防衛機制はどれか。
1.抑圧
2.否認
3.行動化
4.合理化
5.反動形成
53-A-080 古典的条件付けの原理を用いた治療法はどれか。
1.曝露法
2.認知再構成法
3.トークンエコノミー法
4.セルフモニタリング法
5.社会生活技能訓練(SST)
53-A-081 作動記憶〈ワーキングメモリー〉の説明として適切なのはどれか。
1.数日間保持される。
2.非宣言的記憶の1つである。
3.技能の記憶として機能する。
4.生活史の記憶として機能する。
5.情報の処理と保持を同時に行う。
53-A-082 運動制御における小脳の役割で正しいのはどれか。
1.一連の動作の企画
2.運動プランの切り替え
3.記憶に基づく運動の修飾
4.視覚情報を運動指令に変換
5.自発的な行為のプログラミング
53-A-083 脊髄ショック期の徴候として正しいのはどれか。
1.温痛覚解離
2.痙性四肢麻痺
3.肛門括約筋反射消失
4.深部腱反射亢進
5.排尿反射亢進
53-A-084 脊髄損傷の機能残存レベルと可能な動作の組合せで正しいのはどれか。
1.C4――万能カフを用いた食事
2.C5――前方移乗
3.C6――撓側‐手掌握り
4.C7――更衣
5.C8――長下肢装具での歩行
53-A-085 Fallot四徴症で起こる血管異常はどれか。
1.大動脈騎乗
2.大動脈狭窄
3.冠動脈狭窄
4.肺静脈閉塞
5.肺動脈弁逆流
53-A-086 スパイトメトリーで計測できないのはどれか。
1.1秒量
2.予備吸気量
3.1回換気量
4.最大吸気量
5.機能的残気量
53-A-087 関節リウマチについて正しいのはどれか。
1.股関節などの大関節に初発する。
2.間質性肺炎を合併することが多い。
3.罹患関節の症状は非対称性に現れる。
4.半数以上にリウマトイド結節が認められる。
5.血清アルカリフォスファターゼが高値となる。
53-A-088 免疫不全によって生じやすい疾患はどれか。
1.肝性脳症
2.ペラグラ脳症
3.Wernicke脳症
4.トキソプラズマ症
5.Creutzfeldt-Jakob病
53-A-089 Lewy小体型認知症に伴うことが多いのはどれか。
1.幻視
2.失語症
3.高血圧
4.聴覚障害
5.入眠障害
53-A-090 Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。
1.50%以上で再発する。
2.脱髄型と軸索型がある。
3.アルコール多飲が原因である。
4.ビタミンB1欠乏によっておこる。
5.歩行可能まで回復する症例は25%以下である。
53-A-091 Duchenne型筋ジストロフィーの呼吸障害について正しいのはどれか。
1.咳をする力は保たれる。
2.口すぼめ呼吸が有効である。
3.側弯症は呼吸機能に影響しない。
4.動脈血二酸化炭素分圧が上昇する。
5.呼吸不全は5歳以下から生じることが多い。
53-A-092 腎不全における透析療法について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.透析対象者数は年々増加傾向にある。
2.血液透析よりも腹膜透析の割合が多い。
3.昼間透析よりも夜間透析の割合が多い。
4.透析導入の原因疾患は糖尿病性腎症が最も多い。
5.透析対象者の死亡原因として肝不全が最も多い。
53-A-093 糖尿病の運動療法で正しいのはどれか。
1.食後すぐに運動を開始する。
2.冷汗は高血糖発作の予兆である。
3.インスリン投与中は運動療法を中止する。
4.空腹時血糖値が高いほど運動量を増やす。
5.増殖性網膜症がある場合には運動強度を軽くする。
53-A-094 乳癌について正しいのはどれか。
1.月経前に疼痛が増悪する。
2.好発部位は乳房の外側上部である。
3.好発年齢は20歳代である。
4.5年生存率は40%前後である。
5.我が国における発症率は欧米の3倍である。
53-A-095 介護保険について正しいのはどれか。
1.要介護認定の申請は都道府県に対して行う。
2.65歳未満では給付を受けられない。
3.要介護認定には主治医意見書が必要である。
4.要介護状態区分等は要支援と要介護を合わせて6段階である。
5.ケアプランを作成できるのはケアマネジャーのみである。
53-A-096 高齢初発てんかんについて正しいのはどれか。
1.突発性てんかんが多い。
2.患者数は減少傾向にある。
3.部分発作を呈することが多い。
4.てんかん重積状態に至ることはない。
5.抗てんかん薬が無効であることが多い。
53-A-097 器質性精神障害について正しいのはどれか。
1.妄想はみられない。
2.安定した人格を認める。
3.記憶障害はみられない。
4.抗精神病薬は投与しない。
5.心理的要因の影響を受ける。
53-A-098 ベンゾジアゼピン系睡眠薬の依存について正しいのはどれか。
1.中高年者にはみられない。
2.身体依存は形成されない。
3.離脱症状としてせん妄がある。
4.常用量であれば依存は形成されない。
5.作用時間の長い薬剤の方が依存を形成しやすい。
53-A-099 「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」と訴える患者の症状はどれか。
1.恐怖症
2.拒絶症
3.離人症状
4.心気症状
5.感情鈍麻
53-A-100 親しい人間関係を構築できず、奇異な考え方や風変わりな行動が継続してみられ、パーソナリティ障害を指摘された。
最も考えられるのはどれか。
1.演技性パーソナリティ障害
2.依存性パーソナリティ障害
3.統合失調型パーソナリティ障害
4.猜疑性〈妄想性〉パーソナリティ障害
5.シゾイド〈統合失調質〉パーソナリティ障害